新潮文庫から出ている、
トゥルーマンカポーティー「ティファニーで朝食を」読み終えた。
村上春樹訳なのも注目だ。
トゥルーマンカポーティーは、連続殺人事件を取り扱ったノンフィクション「冷血」が抜群に面白かったので、期待していた。
期待通り、この小説も面白かった。やはりクラシックはいつの時代でも心を打つものがある。
タイトルにあるティファニーは、アメリカの貴金属商「ティファニー」である。
ティファニーで朝食?と思ったが、実際にティファニーで朝食はできず、あくまでティファニーのような静かで落ち着ける場所で朝食を食べれるようになりたい、とう、登場人物の願いの比喩である。
(が、数年前に、実際にティファニーで食事ができる店舗ができたらしい!)
映画の冒頭では、実際にオードリーがティファニーの開店前のウィンドウで、
コーヒーとクロワッサンを立ち食いするシーンがあるが、小説版ではない。
映画では悲しい境遇と現実の中、自分が心を落ち着ける場所を求めながらも、
現実に翻弄される主人公を描いている。
映画ではラブロマンス風に描かれているが、小説では、あまり恋愛は強調されていない。
小説だが、トゥルーマンの私的な経験も交えており、ニューヨークの安いアパートの風景やぬくもりが伝わってくるようなリアリティがある。
たまに読む小説は、心を慰めてくれる。
また良質の小説を探そう