10月にインボイス制度がスタートした。早速トラブルがあったので紹介しよう。
ある日、飲食代の領収書を添付した精算書が財務部に届いた。
「どれ、インボイス制度に対応しているかな?」と領収書を見ると、
【インボイス番号】がなかった。
飲食店名を見ると親会社は東証プライム上場の誰もが知っている有名飲食チェーンだから、インボイス番号していないわけないだろうと思い、
企業名で検索すると、インボイス番号はちゃんと登録されてあった。
では、レジのシステム改修遅れか?と思い、飲食店にTELすると、
「うちはインボイス番号に登録してますし、10月からちゃんとレジもインボイス対応に変えてますよ」とのこと。
領収書をよく見ると、飲食した注文の明細書がなかったので
もしかしたら、そっちにインボイス番号が記載されているのでは?と思い、
営業に明細も出してもらったが、そっちにも番号はなかった。
結局、先方と何度かTELでやり取りしたあげく、
最後に先方からこんな一言があった。
「インボイス番号は領収書の一番下に表記されるようにしましたが、
一番下が、もしかして見切れてますかね・?」
・・・確かに、レジから出てくるレシートの切れ目は、やけに文字ぎりぎりに切れている。そこに違和感はあった。
結果として、レジの店員が、インボイス番号がある最後の行までレジが印刷される前にピッと切って、客に渡してしまったのが原因だった。
店員の不手際もあるが、今後は、インボイス番号がないと税額控除できない以上、
こんなトラブルが多々出てくるだろう。
飲食店側としても、客とのトラブルを防ぐため、
①店員にレシートを最後まで出すように教育する。
②インボイス制度のことを店員に教える
③インボイス番号は、なるべく領収書の一番下ではなく、店名の下など、端に印刷しないように変えること
をオススメする。
しかし、これからますます前途多難が待ち受けているのを予感させる出来事であった。